電気的に駆動したモルモット摘出左心房標本において、histamineはH_1-受容体を介して、濃度依存性に陽性変力作用を惹起したが、この作用は、tyrosine kinase阻害薬であるtyrphostinA25とgenisteinにより強く抑制された。一方、isoproterenolの陽性変力作用はtyrosine kinase阻害薬によって影響を受けなかった。またgenisteinの類似体でtyrosion kinase阻害作用のないdaidzeinはhistamineの陽性変力作用には効果を示さなかった。Histamineは高濃度で二峰性の陽性変力作用を示すが、いづれの相も、tyrosine kinase阻害薬により抑制された。Histamineはまたモルモット左心房において、H_1-受容体を介してチロシンリン酸化を亢進させた。これらの結果は、histamine H_1-受容体における陽性変力作用における細胞内情報伝達機構にtyrosineリン酸化が関与していることを示唆する。
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