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1995 年度 実績報告書

ガングリオシドの合成経路,発現の改変による神経細胞の分化誘導

研究課題

研究課題/領域番号 07670159
研究種目

一般研究(C)

研究機関理化学研究所

研究代表者

小島 直也  理化学研究所, フロンティア研究システム, 研究員 (30183338)

キーワードガングリオシド / シアル酸転移酵素 / 糖転移酵素 / 神経細胞分化 / ポリシアル酸
研究概要

細胞表面の糖鎖は細胞分化に応じて劇的に変化することが知られている。この過程での糖鎖の機能を明らかにすることを目的とし、糖転移酵素特にシアル酸転移酵素に注目し研究を行っている。本研究では特定の糖転移酵素遺伝子を細胞に強制発現させ細胞内の糖鎖合成経路を改変し、その結果として、細胞表面の糖鎖の発現パターンが変化した場合、細胞がどのように応答するかを明らかにすることを目的とした。昨年b-シリーズガングリオシド合成に必須なGD3合成酵素をクローニングした。本酵素遺伝子を神経芽腫瘍細胞Neuro2aに導入したところ、その結果としてそれまでには発現していなかったGD3およびb-シリーズガングリオシドが細胞に新たに発現するようになった。このような細胞では神経突起の伸長が著しく増強され、最終的に腫瘍細胞からより正常細胞に近い性質を獲得する方向へ分化することを見いだした。そこで同様の現像が他の糖転移酵素遺伝子を導入した場合でも観察されるかどうかを検討した。その結果α1,2-フコース転移酵素遺伝子をNeuro2a細胞に導入した場合アクソンの著しい伸長阻害を見いだした。このときガングリオシドは親株には存在しないフコシルGM1が主成分となっていた。一方、フコシルGM1を合成しないα1,2-フコース転移酵素遺伝子を細胞に導入してもアクソンの伸長阻害は見られなかった。これらの結果は細胞表面の糖鎖の発現が神経細胞の突起伸長や分化といった現象に直接関連していることを物語っている。
一方、神経系に特異的に発現しているシアル酸転移酵素を更に3種クローニングした。3種ともα2,8-シアル酸転移酵素であることが明らかになった。またこのうち2つは神経細胞接着分子(N-CAM)のポリシアル酸合成に関与するポリシアル酸合成酵素であることを明らかにした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] N. Kojima: "A Develop mentally Rogulated Member of Sialyltransferase(ST8 SiaII,STx) is a Polysialvc acid Synthase" FEBS Lett.373. 119-122 (1995)

  • [文献書誌] Y. Yoshida: "Molecular Cloning and Characterization of Third Type of N-Glycan α2、8-Sialyltransferase from Mouse Lung" J. Biochem. 118. 685-664 (1995)

  • [文献書誌] Y. Yoshida: "Molecular Cloning of Siaα2,3 Gal β1,4GlcNAc α2,8-Sialy ltransferase from Mouse Brain" J. Biol、 Chem. 270. 14628-14633 (1995)

  • [文献書誌] S. Hitoshi: "Expression of the B-Galactoside α1,2-Fucosy transferase Gene Suppresses Axonnal Outgrowth of Neuro2a Neuroblastoma cells" J. NeuroChem. (in press). (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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