研究課題/領域番号 |
07670210
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
三杉 和章 横浜市立大学, 医学部, 教授 (50106332)
|
研究分担者 |
船曳 哲典 横浜市立大学, 医学部・小児科学教室, 助手 (20264616)
佐々木 佳郎 神奈川県立こども医療センター, 病理科, 部長
青木 一郎 横浜市立大学, 医学部・病理学第二講座, 助教授 (00184028)
宮城 洋平 横浜市立大学, 医学部・病理学第二講座, 助手 (00254194)
長嶋 洋治 横浜市立大学, 医学部・病理学第二講座, 講師 (10217995)
|
キーワード | 小児腫瘍 / 神経芽腫 / アポトーシス / マス・スクリーニング / 自然退縮 / TRKA / LNGFR / TS-TG |
研究概要 |
初年度はマス・スクリーニングで発見され切除された神経芽腫を材料とし、高親和性神経増殖因子レセプター遺伝子TRKAおよび低親和性神経増殖因子レセプター遺伝子LNGFR、tissue transglutaminase遺伝子(TS-TG)の発現を中心に検索を行った。TRKA遺伝子の発現は神経芽腫の予後良好群と相関することがBrodeur,Garettにより示されていると同時に、神経細胞への分化の指標と考えられている。LNGFRは、アポトーシスを誘導することでしられるFAS抗原類似のレセプターで、実際に齧歯類の培養神経細胞にアポトーシスを引き起こすことが解っている。Ts-TGはアポトーシスと共に誘導されてくる酵素であり、アポトーシスによる細胞死の指標となり得る。その結果、マス・スクリーニング例はTRKA高発現群と,LNGFRとTs-TGをともに顕著に発現する群とに大別された。前者は腫瘍細胞の分化傾向を、後者はアポトーシスによる腫瘍細胞死を反映するものと考えられ、神経芽腫の自然退縮機構においては分化、アポトーシスの2つのメカニズムが独立して関与している可能性が示唆された。しかしながら、切除された神経芽腫よりDNAを抽出し断片化を検索した結果・超微形態学的検索・in situ endlabelling法による検索は、積極的にアポトーシスの存在を示唆するものではなかった。種々の理由が考えられるが、8年度はアポトーシスの関与が予想される腫瘍を広く収集し、同様の検索を行い比較検討することが必要と思われる。
|