研究概要 |
女性のHCC切除例22病巣を対象に、それぞれの非癌部・腺腫様過形成性・肝細胞癌の凍結標本およびパラフィン包埋切片を薄切し、連続切片のHE染色と対比しながら、病巣部を取り出し、同部よりDNAを抽出した。Androgen Receptor遺伝子のExonlのCAG Tandem repeatを含む領域をビチオン化したプライマーを用い、PCR法にて増幅し、電気泳動を行いBandを検出した。更にDNAをメチル化認識制限酵素HhaIまたはHpaIIにより切断し、PCR法にて増幅後、同様に処理し増幅領域のメチル化パターンを検出しX染色体の不活化の解析を行った。その結果、Androgen Receptorのヘテロ接合性を示したのは22例中21例(95.5%)であった。癌部の24結節と、AHの3結節でmonoclonalなパターンを示し、AHですでにmonoclonalな増殖をしている事がわかった。多発結節2例中1例は結節間で相異なるX染色体の不活化パターンを示し、同時多発性であると診断された。(第47回日本消化器外科総会にて一部は発表した。) 異型腺腫様過形成性,腺腫様過形成性、大型再生結節等の前癌病変について今後症例数を増やして検討する予定である。 肝細胞癌における多発か肝内転移かの問題についても、両者の頻度、形態的、臨床病理学的相違を明らかにしていく。
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