女性の肝細胞癌、腺腫瘍過形成症例をX染色体上のAndrogen receptor遺伝子のExon1のCAG tamdem repeatを含む領域をビオチン化したプライマーを用い、PCR法にて増幅し、電気泳動を行い、bandを検出した。更にDNAをメチル化認識制御酵素HhaI、HpaIIにより切断し、PCR法にて増幅後、同様に処理し増幅領域のメチル化パターンを検出しX染色体の不活化の解析を行った。肝細胞癌結節および腺腫瘍過形成のclonalityを検討し、さらに多発結節症例においてはその多中心性発生を検討した。 肝細胞癌切除例約30例を検索し、内現在までにPCR法にて増幅可能であったのは、肝細胞癌8結節、腺腫瘍過形成2結節、非癌部組織7例であった。非癌部組織7例すべてpolyclonalを示し、全例がinformative caseであった。肝細胞癌8結節、腺腫瘍過形成2結節はすべてmonoclonal patternを示した。多発結節であった2例はともに多中心性であることが示された。(一部は第47回日本消化器病学会総会、第85回日本病理学会総会にて発表した。)
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