研究概要 |
B細胞性慢性リンパ性白血病(B-CLLs)症例の各群(CLL,CLL/PL,PLL,HCL,HCLV,SLVL,leukemic phase of NHL,LPL,PCL)のうち、CLL,CLL/PL:PLL,HCL:HCLV,SLVL:LPLの間では、それぞれ形態的に独立した分類項として扱われている事実に反して、形質的には極めて類似していることを明らかにした(第57回日本血液学会総会、第37回日本臨床血液学会総会)。さらに、HCL,HCLV例には両群の間には移行例と思われるものが存在するが、既存の分類には当てはまらない本邦型HCLといわれるものは存在しないことも明らかにした(Kondo,H., Takeuchi,H., Katayama,I.: Leukemia,in press)。 抗CD40抗体刺激によるB-CLLs細胞の潜在的免疫細胞学的性格の解明については、B-CLLs細胞株(FH-5)を用いて抗CD40抗体の種類、間質細胞の影響、サイトカイン(IL-2,IL-4,IL-10,TNFα,TGFβ)の影響について検討した。その結果、FH-5の免疫グロブリン産生に関しては抗CD40抗体はMAB89が効果的であるが、その作用は間質細胞やサイトカインには影響されなかった。また、抗CD40抗体を固相化した場合により強い作用が認められ、この場合では免疫グロブリンアイソタイプスイッチ(IgEの産生誘導)も認めた。これらの結果から、今までに報告されてきた様な抗CD40抗体刺激においての間質細胞の存在は必須ではなく、サイトカインの役割も少ないことが明らかになった。
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