研究概要 |
濾胞性リンパ腫細胞株における増殖能はFL18,FL318の増殖能が高い。FL318はbcl-2遺伝子major break pointに切断点があり、FL218,FL18はminor break pointに遺伝子切断点が起こっている。c-myc,p53の発現について細胞の蛋白をを可溶化後、ウェスターンブロテイングにて検討したところ、FL318の発現するp53蛋白の分子量がFL218,FL18のものに比べ低くしかも、2ほんのバンドが検出され、deregulationが起こっていることが示唆される。c-mycの発現は定常状態ではなかった。染色体異常の多寡もFL18が最も多くFL318,FL218の順であった。CD44発現はいずれの細胞株でも定常状態では発現せずTPA刺激によりFL18,FL318にCD44Hの発現がtranscriptレベルで誘導された。 抗体作成がまだ進行中のため、免疫沈降の実験は行っていない。 細胞骨格蛋白との結合に関連する仕事では、ezrin,moesin,radixinとの連関に関しては月田らの仕事の成果が著しく、当方は細胞骨格との関連がないといわれるヒアルロン酸とCD44の結合、それに引き続く細胞機能変化、アンキリンとの連関、CD44分子の発現制御に仕事の方向を求めてゆく。
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