研究概要 |
昨年度の実験手技を使い、免疫ビーズ法でラット骨髄巨核球を精製分離し以下の検索を行った。 1)Proplatelet Process Formation(PPF)バイオアッセイ法によるトロンボポエチン(TPO)活性の検定:1994年に新しく開発されたc-Mpl ligandのトロンボポエチン(PTO)とIL-6,Epoを比較する為に、これまでにIL-6,EpoのPPF活性の増幅効果が確認されているブタ血管内皮細胞(PEC)株を使って巨核球との共生培養を有血清下で行ったところ、IL-6,Epoと同様にTPOに対しても著しいPPF活性の増幅効果が、1pg/ml〜10ng/mlまで幅広い濃度範囲にわたって認められた。 2)血清添加が必要か否かを決める為同様の実験を、顕著なPPFを示すことの出来る無血清培養下において検討したところPPFは顕著であったが、更にウシ胎児血清(FCS)を添加したところFCS添加の濃度依存性は明確には観察できなかった。従って当初考えていた『血清因子が必要である』という点に疑問が生じてきている。今後の課題である。 3)KD細胞株に関してはMycoplasmaの感染が示唆され、PPFアッセイへの供与が困難な事態となった。従って他の同種の細胞株で検討している。 4)PPFの電顕(TEM)観察では、PPFの形成過程で分離膜が解離することにより、細胞質が糸状にほぐれるものと考えられた。
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