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1995 年度 実績報告書

初代培養細胞における癌化抑制機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 07670244
研究種目

一般研究(C)

研究機関大阪大学

研究代表者

井上 寛一  大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (30176440)

キーワード癌化抑制 / 癌遺伝子 / 初代培養細胞
研究概要

REF cDNA発現ライブラリーをv-srcトランスフォーム細胞株にトランスフェクトして得たリバータント細胞株より回収したcDNA(R124)の全塩基配列を決定した。このcDNAは全長1.8kbで164アミノ酸の蛋白をコードできるORF (open reading frame)を持ち、ORFのC端に1つの膜貫通ドメインとN端に3つの補体結合ドメインがある。現在までのところ、既知の遺伝子との相同性は認められない。このcDNAとhybridizeするmRNAは正常ラット細胞株では発現しているが、v-src,v-fps,v-ras,v-abl,v-mos,v-sis,polyomavirus middle Tなどの癌遺伝子によるトランスフォーム細胞株で著しくその発現が低下していた。またv-srcの温度感受性変異株を導入した細胞株においてv-src遺伝子の機能発現と並行してこのmRNAのdownregulationが認められた。血清飢餓によってG0期に同調させたF2408細胞に血清を加えた後このmRNAの発現量の変化を調べたところ血清添加後2-3時間後に減少することを見い出した。したがってこの遺伝子は成長因子などのmitogenによるシグナル伝達にも関与している可能性が考えられる。癌遺伝子の機能発現によってそのmRNAがdownregulateされることからこの遺伝子は正常形質を維持するのに必要な癌抑制遺伝子の可能性が高いと考えられるが、抑制遺伝子であることを証明するためにはさらに強力なプロモーターのもとでこの遺伝子を強制発現させることによって癌化抑制活性を調べることが必要である。現在,分離したこの遺伝子の高発現クローンでの癌遺伝子に対する感受性を検討中である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] H.Inoue et al.: "Suppression of v-Src transformation in primary rat embryo fibroblust." Oncogene. 11. 231-238 (1995)

  • [文献書誌] M.Shimakage et al.: "Tumorigenicity of EBNA2-transfected cells." FEBS Letters. 371. 245-248 (1995)

  • [文献書誌] J.Pan et al.: "Isolation of a novel gene down-regulated by v-src oncogene." FEBS Letters. (In Press). (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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