研究課題/領域番号 |
07670284
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
寄生虫学(含医用動物学)
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
上村 春樹 長崎大学, 熱帯医学研究所, 講師 (60184975)
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研究分担者 |
中澤 秀介 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (20180268)
神原 廣二 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (20029789)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | シャーガス病 / トランスシアリダーゼ / シアル酸 / トリパノソーマ / トリポマスチゴ-ト / 遺伝子発現調節 / GPI アンカータンパク質 |
研究概要 |
シャーガス病の病原原虫Trypanosoma cruziの感染型トリポマスチゴ-トの表面には、この原虫特有のシアル酸転移酵素トランスシアリダーゼ(TS)が存在する。この酵素は、糖複合体にa2,3結合したシアル酸を切断して原虫表面の末端ガラクトース受容体へとシアル酸を転移するユニークな酵素であり、シアル酸を受け取った分子は宿主細胞との接着、侵入に重要な役割をしていると考えられている。しかし、活性部分に対する抗体が得られにくいこと、類似の構造をもった蛋白質が数多く存在すること等から、その役割は十分には解明されていない。 そこで、大腸菌を用いた発現系を確立して、十分量の蛋白をとり、マウスを用いた免疫的研究を行う予定で実験を始めた。発現の不安定要因と考えられたN末端シグナル配列、C末端反復配列や疎水性領域を除去し、さらに多量発現に適したプラスミドベクターと大腸菌を用いて、多少の改善は得られたものの免疫実験で機能を研究するまでの十分な量はとれなかった。しかし、この系を用いて種々の遺伝子を発現させ、従来から問題となっている活性のあるものとないものの割合が約半々に存在することを明らかにすることが出来た。さらに、この発現させた種々の蛋白の構造と活性の関連を細菌シアリダーゼからの立体構造から推定したモデルを基に考え直して、阻害剤の改良に用いている。 その他、染色体上におけるトランスシアリダーゼ遺伝子局在の解析を行い、原虫の生活環による遺伝子発現調節、蛋白質の局在化機構の解明へと研究を進めている。
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