研究課題/領域番号 |
07670289
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
寄生虫学(含医用動物学)
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研究機関 | 独協医科大学 |
研究代表者 |
松田 肇 獨協医科大学, 医学部, 教授 (30114648)
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研究分担者 |
川合 覚 獨協医科大学, 医学部, 助手 (70275733)
桐木 雅史 獨協医科大学, 医学部, 助手 (50265302)
千種 雄一 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (20171936)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | 住血吸虫 / 日本住血吸虫 / 単クローン抗体 / 特異抗原 / 種特異性 |
研究概要 |
循環抗原(CA)に対する抗体を得るため、日本住血吸虫(Sj)成虫の排泄・分泌物質との反応および腸管への局在を指標に選択してモノクローナル抗体(MoAb)1-7Bを得た。Sj成虫の蛋白質成分の2次元電気泳動パターン(2Dパターン)上、MoAbl-7Bによるイムノブロッティングで等電点4よりやや酸性、分子量およそ100kDaを中心とする縦長のスポットが検出された。この抗原がCAであることを、ウサギ血清の2Dパターンでのイムノブロッティングで相当するスポットがSj感染ウサギ血清で、MoAbl-7Bと反応させたものでのみ検出されることにより示した。この結果に加え、レクチン結合性、V8プロテアーゼ感受性であることから糖タンパク質であると考え、この抗原をCGPA(circulating glyco-proteinaceous antigen)と名付けた。 次にマンソン住血吸虫(Sm)を対照としてCGPAの種特異性を検討した。種特異性を確認するうえで、MoAbを使用することで関連抗原内の一部の抗原決定基の違いを見てしまう危険を避け、抗血清を用いて2Dパターンでのイムノブロッティングをおこなった結果、CGPAのスポットはSm成虫タンパク質の2Dパターン上には見られなかった。さらにSjおよびSm成虫の免疫組織化学的な観察をおこなったところSjでは腸管上皮細胞質に発色が見られたがSmでは上皮細胞に発色は見られなかった。以上の結果から、CGPAはSj特異的な抗原であると判断した。既知の5種類の循環抗原すべてについて、Smに類似抗原が存在することがわかっていることからCGPAは、循環抗原としては未報告のものであると考えられる。 今後CGPAの生物学的な役割の解析、Sj症の血清診断への応用を念頭において研究を進めていきたい。
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