H.Mossmann博士(マックスプランク免疫生物学研究所、ドイツ)の紹介で、N.Noben-Trauth博士(ジャクソン研、米国)からBALB/cマウスを遺伝的背景とするIL-4-/-マウスを導入し、SPF環境下で現在繁殖・飼育中である。S.typhimurium C5(強毒株)の腹腔内感染に対する抵抗性は、BALB/cおよび新しいLPS不応答性マウスであるBALB/lpsdマウスよりやや強い傾向を示した。フローサイトメトリーによる脾臓および腸管膜リンパ節のリンパ球解析では、CD4+T細胞の割合に大きな変化が認められなかったが、CD8+T細胞の割合が低いことを認めた。マイトジェンに対する応答性やサイトカイン産生能についても検討中ある。例数を重ねてこれらの結果を至急確認する予定である。BALB/lpsdマウスのLPSの致死毒性に対する抵抗性は精製S.abortusequi LPS標品(C.Galanos博士より分与)を用いて確認し、S.typhimurium C5に対する感染抵抗性で雌雄間に差がないことをを確認した。腹腔内感染により正常マウスでは認められない脾臓中のIFNγとIL-10 mRNAの発現が高まり、肝リンパ球でもIL-10 mRNAの発現を認めた。肝リンパ球のIFNγmRNAの発現が正常でも認められたのでこの点について再検討している。BALB/cマウスを遺伝的背景とするIFNγ遺伝子ノックアウトマウス分与およびC57BL/10マウスを遺伝的背景とするIL-10遺伝子ノックアウトマウス[W.Mueller博士(ケルン大遺伝研)より使用許可を得た]の分与を昨年ジャクソン研に申し入れたが未だ入手出来ていない。研究を推進するため、再度H.Mossmann博士を介してノックアウトマウスの導入を交渉中である。
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