研究課題/領域番号 |
07670353
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
村山 次哉 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (60159184)
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研究分担者 |
大原 義朗 金沢医科大学, 医学部, 教授 (50203914)
小渕 正次 金沢医科大学, 医学部, 助手 (70257450)
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キーワード | サイトメガロウイルス / IL-8 / ノーザンブロット |
研究概要 |
今年度の研究実績は、研究実施計画のうちの特に"サイトメガロウイルス(CMV)感染によるIL-8産生能の解析"に関する研究において、CMVの感染シグナルがIL-8遺伝子のどの部位を活性化するかについて検討し以下の成績が得られた。 CMV感染THP-1細胞へのIL-8mRNAの発現についてNorthern blot法により検索した所、少なくとも感染後30分には発現が認められ、転写は感染の極初期に起きる事が明かとなった。IL-8遺伝子上流域(-546-+44)を有するルシフェラーゼ発現ベクターを用いる一時発現系により、ルシフェラーゼ活性の誘導を測定し、CMV感染に応答するIL-8遺伝子上のenhancer regionを検索した所、AP-1およびNF-kB認識配列の両方が関与している事が示された。さらにCMV感染THP-1細胞より得た核内抽出タンパク質と^<32>P標識合成オリゴマープローブを用いたゲルシフトアッセイから、CMV感染によりAP-1およびNF-kB部位に特異的に結合する核内タンパク因子の産生・増強が認められた。この事は、IL-1やTNF刺激での報告と類似しており興味深い。これらの知見は、第11回ヘルペスウイルス研究会、第44回日本ウイルス学会総会および6th international cytomegalovirus workshop(Alabama)において発表された。尚、論文は現在投稿中である。今後の研究の展開としては、IL-8産生および遺伝子発現にCMV遺伝子のどの部位が関与しているかを明かにしていく。CMVの前初期遺伝子(IE-1,IE-2)領域を含むプラスミドによるトランスフェクタントからRNAを得、Northern blot等によりIL-8mRNA発現検索を行いCMVの関与遺伝子を調べる。
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