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1995 年度 実績報告書

インフルエンザウイルスRNAポリメラーゼの分子解剖に基づくウイルス増殖機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 07670354
研究種目

一般研究(C)

研究機関久留米大学

研究代表者

豊田 哲也  久留米大学, 医学部, 教授 (00197972)

キーワードインフルエンザウイルス / RNAポリメラーゼ / 転写 / 複製 / バイナリー複合体 / 免疫沈殿
研究概要

インフルエンザウイルスRNAポリメラーゼはPB2、PB1、PAという3つのサブユニット構造からなり、ウイルスゲノムの転写及び複製をつかさどる複合酵素である。当研究者は、これまでに組み換えバキュロウイルス、組み換えワクチニアウイルスの系により単独、あるいは、あらゆる組み合わせにより発現したそれぞれのサブユニットを用いて、ゲノムの第8分節の両端を持ったモデル鋳型に依存した試験管内転写、複製系を構築した。そして、PB1サブユニット単独でも、モデル鋳型依存性にRNA合成活性を検出することに成功した。また、試験管内におけるモデル鋳型RNAの複製には、PB2、PB1、PAの3つのサブユニットがそろった完全なポリメラーゼ複合体が必要であることも明かとした。
そして、このことから、インフルエンザウイルスRNAポリメラーゼは各サブユニット結合によりその機能が調節されることが推察できるので、その部位を同定した。つまり、各サブユニットのN末端あるいはC末端からの欠損変異体を作製し、サイトメガロウイルスプロモーターの下流に組み込んで、野生体のサブユニットと共に、COS細胞に導入し、各サブユニットに対する特異抗体で、免疫共沈殿を行って、結合部位を同定した。その結果、PB1PB2、PB1PAのバイナリー複合体が同定され、PB1PB2の結合部位は、PB1のC末158アミノ酸とPB2のN末249アミノ酸で、PB1PAの結合部位は、PB1のN末140アミノ酸とPAのC末3分の2であることを決定した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Yasishi Nakagawa: "RNA polymerase PB2 subunit is not required for replication of influenza virus genome but is involved in capped mRNA synthesis." J. Verology. 69. 728-733 (1995)

  • [文献書誌] Tetsuya Toyoda: "Role of GTPase activity of Mx1 protein in nuclear localization antiviral activity." J. gen. Virol.76. 1867-1869 (1995)

  • [文献書誌] Makoto Kobayashi: "Influenza virus PB1 protein is the minimal and essential subunit of RNA polymerase." Arch. Virol.141. 1-16 (1996)

  • [文献書誌] Tetsuya Toyoda: "Molecular dissection of the influenza virus RNA polymerase: PB1 alone is able to catalyze RNA." Virus Genes. (in press). (1996)

  • [文献書誌] Masanobu Chinami: "Nucleic acid binding at zinc finger-like motif of human papillomavirus type16 E7 oncoprotein." J. virol. method. (in press). (1996)

  • [文献書誌] 豊田哲也: "ウイルス学(オルソミクソウイルス)" 朝倉書店(畑中正一編集) (印刷中),

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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