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1995 年度 実績報告書

B細胞の初期分化とシグナル伝達に関与する新しい核内因子mel-18

研究課題

研究課題/領域番号 07670365
研究種目

一般研究(C)

研究機関千葉大学

研究代表者

菅野 雅元  千葉大学, 医学部, 助教授 (40161393)

キーワードポリコム遺伝子 / B細胞分化 / シグナル伝達 / 細胞周期 / 細胞増殖 / c-myc / サイクリン
研究概要

生体の発生・分化を制御する因子として、ポリコム遺伝子群が知られている。本研究では、哺乳類で我々が発見したポリコム遺伝子(mel-18)が、免疫系の分化・シグナル伝達にどのように関与することによって細胞増殖を制御しているのかという問いを分子レベルで研究することを目的とした。
現在までに遺伝子破壊マウスと遺伝子導入マウスの作成に成功している。
(1)c-mycが標的遺伝子の一つであることが、in vitro実験から示唆されたので、c-mycが関与する系としてB細胞の抗原リセプター(BCR)からのシグナル伝達系を取り上げた。mel-18はc-mycと同様の挙動を示したことから、初期応答遺伝子であることが判明した。
(2)mel-18を過剰発現する遺伝子導入マウスを作成したところ、BCRからのシグナルが入らず、細胞が細胞周期のG1/S期境界でアレストしてしまうために、細胞増殖が抑制されることが判明した。しかし、c-mycを介さないと考えられているLPS刺激による細胞増殖は正常であった。またc-mycの標的遺伝子の一つと考えられているサイクリンEの蛋白質量の低下、Rb蛋白質のリン酸化の低下が観察された。よってmel-18→c-myc→サイクリン→Rbリン酸化→細胞周期のアレストという制御機構が存在することが明らかとなった。
(3)mel-18遺伝子破壊マウスにおいて、リンパ球の低形成が観察された。特にB220^+IgMProB細胞分画における細胞増殖が強く阻害されていること、この分画の細胞の分化・増殖に必要なIL7-からのシグナル伝達系が阻害されていることが観察された。
つまり、mel-18の過剰発現や欠損が共にリセプター由来のシグナル伝達による細胞周期調節に抑制的に作用することが判明した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Kanno,M.: "mel-18,a Polycomb group-related mammalian gene,encodes a transcriptional negative regulator with tumor suppressive activity." EMBO J.14. 5672-5678 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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