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1996 年度 実績報告書

B細胞の初期分化とシグナル伝達に関与する新しい核内因子mel-18

研究課題

研究課題/領域番号 07670365
研究機関千葉大学

研究代表者

菅野 雅元  千葉大学, 医学部, 助教授 (40161393)

キーワード細胞周期 / シグナル伝達 / 抗原リセプター / Polycomb遺伝子群
研究概要

[目的]我々はこれまで哺乳類のPolycombグループ(PcG)遺伝子であるmel-18が、転写抑制因であり、癌抑制遺伝子としても機能することを報告してきた。さらにその標的遺伝子の一つとしてc-mycを候補に考えてきた。その細胞増殖調節機構を解明する目的で、mel-18の遺伝子導入マウスを用い、B細胞抗原リセプター(BCR)刺激による細胞周期調節機構を検討した。
[方法および結果](1)mel-18を過剰発現させたところ、c-mycの発現が抑制されると共に抗原リセプターからのシグナル伝達が抑制され、細胞周期のG1期からS期への移行の阻害が起きた。
(2)細胞周期のアレストが起きている事が判明したので、その分子機構について検討した。特にG0/G1期からS期への移行に必要なサイクリン/CDK/CDKI/CAKの蛋白質の定量、CDKの活性、およびRb蛋白質のリン酸化を測定した。まずRbのリン酸化の抑制が見られた。そこでCDK2,4,6の3種類のKinase活性を測定したところ、3つとも活性の著名な低下が見られた。さらにサイクリンD2,E,CDK4,6,p19,p27の蛋白質量の低下が観察された。
[考察]免疫系細胞のレセプターを介したシグナル伝達による細胞周期調節において、mel-18は、サイクリン/CDK/CDKI/CAKなどの発現量の制御を介してRbのリン酸化を調節し、G1/S境界のRestriction-pointにおける制御に関与していることが判明した。ノックアウトマウスにおけるリンパ球の分化障害機構や、mel-18の標的遺伝子の一つであるc-mycとの関連においてさらに検討したい。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Ohki-Hamazaki,H: "TCR reportoire in early fetal mouse thymus." Int. Immunol.3. 493-499 (1995)

  • [文献書誌] Kanno,M.: "mel-18, a Polycomb group-related mammalian gene, encodes transcriptional negative reguiator with tumor suppressive activity" EMBO. J.14. 5672-5678 (1995)

  • [文献書誌] Tetsu,O.: "Cloning and characterization of two transcripts generated from the mel-13 gene positioned adiacent to the mammalian Polycomb group-related gene mel-18." Biochem. Biophys. Acta. 1305. 109-112 (1996)

  • [文献書誌] Akasaka,T.: "A role for mel-18, a Polycomb group-related vertebrate gene, during the anteroposterior specification of the axial skelton." Development. 122. 1513-1522 (1996)

  • [文献書誌] 菅野雅元: "Immunology Frontier「マウスポリコム遺伝子産物の免疫系における機能」" メディカルレビュー社, 10 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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