研究課題/領域番号 |
07670369
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
北田 一博 京都大学, 医学研究科, 助手 (70263093)
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研究分担者 |
芹川 忠夫 京都大学, 医学研究科, 教授 (30025655)
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キーワード | 免疫不全 / リンパ節 / パイエル板 / 胚中心 / マウス / ミュータント / ポジショナルクローニング / 遺伝子マッピング |
研究概要 |
ALYマウスは、全身のリンパ節欠損を主微とする免疫不全ミュータントであり、その原因遺伝子aly(alymphoplasia)は、第11染色体上のセントロメアから約63cMの位置に存在する。本研究の目的は、aly遺伝子のポジショナルクローニングである。本研究により、以下の成果が得られた。 (1)aly遺伝子座近傍の遺伝学的地図の作製:aly遺伝子座近傍のゲノムクローンから新たに開発したマイクロサテライトマーカーを用いて、ALYマウスと日本産野性マウス由来の近交系MSMとの間の戻し交雑仔をタイピングした結果、2056匹の戻し交雑仔においてもaly遺伝子座と組替えの見られなかったマーカー、および1個体においてのみ組替えが見られたマーカーを得ることができた。結果的には、aly遺伝子座を内部に含む2.2cMの領域について、0.05cMの精度を持つ遺伝学的地図が作製されたことになる。 (2)aly遺伝子座近傍の物理学的地図の作製:YACおよびBACライブラリーを用いて染色体ウォーキングを行ったところ、aly遺伝子座と組替えのないマーカーを含む0.10cMのゲノム領域内で、8つの独立したBACクローンを得た。これらの制限酵素地図を作製した結果、約300kbpの領域をカバーすることが明らかとなった。 (3)細胞接着因子Icam-2とMadCAMの遺伝子マッピング:骨髄移植の実験により、ALYマウスの免疫学的微小環境に異常がみられることから、細胞接着因子の変異の関与が推定された。そこで、Icam-2遺伝子とMadCAM遺伝子のマッピングを行ったところ、aly遺伝子座以外の座位にマップされ、それらは原因遺伝子でないことが判明した。 (4)副産物的成果であるが、遺伝子マッピングに使用する2056匹にのぼる戻し交雑仔のゲノムDNAが、分与可能な状況となった。
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