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1995 年度 実績報告書

ラット腎に及ぼす酸化ゲルマニウム(IV)長期投与の影響に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07670396
研究種目

一般研究(C)

研究機関東京大学

研究代表者

山崎 信行  東京大学, 医学部(医), 教務職員 (40143424)

研究分担者 和田 攻  東京大学, 医学部, 教授 (60009933)
キーワード二酸化ゲルマニウム / 間質性腎炎 / ゲルマニウム中毒 / マクロフア-ジ / IV型コラーゲン / フイブロネクチン
研究概要

健康食品等によるゲルマニウム中毒では、その全例に腎不全または腎機能障害が認められており、その原因物質は酸化ゲルマニウム(IV)(Ge0_2)と考えられている。本研究ではGe0_2を長期間ラットに投与し、腎に及ぼすGe0_2の影響を検討した。
6週齢のウイスターラットを、通常の固形飼料(対照群)またはGe0_2添加(1500ppm)飼料(Ge0_2群)で5か月間飼育した。対照群のラットは、ほぼ直線的な体重増加を示したが、Ge0_2群では、Ge0_2投与後1か月めから有意な体重増加の抑制が見られ、3か月め以降は体重が徐々に減少した。しかし、実験期間中に死亡したラットは1匹もいなかった。Ge0_2投与終了後の腎の病理組織学的検索により、Ge0_2群の全てにおいて、尿細管の変性、壊死による間質の拡大と、間質を中心として糸球体にも炎症性細胞の湿潤が認められ(間質性腎炎)。血清のNa,K,Clおよびクレアチニンでは、5か月のGe0_2投与による影響が認められなかったが、血液尿素窒素はGe0_2群で有意に上昇していた。免疫組織化学染色により、Ge0_2群で、ED1陽性細胞(主にマクロフア-ジ)の腎間質への集積が認められたが、対照群では全く見られなかった。また、Ge0_2群の腎間質では、細胞外マトリクスの構成成分であるIV型コラーゲンやフイブロネクチンの発現が増強していた。逆転写-ポリメラーゼ連鎖反応によって増幅されたIV型コラーゲンおよびGAPDH cDNAの電気泳動バンドの強度から求めた、IV型コラーゲンmRNAの相対的発現レベルは、対照群に比し、Ge0_2群で有意に亢進していた。
Ge0_2の長期投与により、ヒトと同様な間質性腎炎がラットにおいても発症した。腎間質への著名なマクロフア-ジの集積がIV型コラーゲン、フイブロネクチンの間質への蓄積、IV型コラーゲンmRNAの発現増強に関与しているものと思われる。

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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