研究課題/領域番号 |
07670408
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
土井 陸雄 横浜市立大学, 医学部, 教授 (70091585)
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研究分担者 |
浦野 勉 横浜市立大学, 医学部, 助手 (00213512)
鹿島 勇治 横浜市立大学, 医学部, 助手 (50233705)
岡部 とし子 横浜市立大学, 医学部, 講師 (20152564)
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キーワード | Candida albicans / キャッピング酵素 / グアニル酸転移酵素 / 5'-トリフォスファターゼ |
研究概要 |
昨年度に引き続き分裂酵母Schizosaccharomyces pombeのグアニル酸転移酵素を大腸菌内で発現し、イオン交換クロマトグラフィー及びゲル濾過により単離・精製を行った。現在、精製標品を用いてX線結晶解析を行っている。さらに、既知のグアニル酸転移酵素で保存されている配列を用いてヒトゲノム配列のデータベースにより検索し、この配列を有する遺伝子配列をプローブとしてcDNAライブラリーよりヒトキャッピング酵素遺伝子(HCE1)を単離した。塩基配列からHCE1は5'末端側にチロシンフォスファターゼの活性部位に類似の配列をコードし、3'末端側にグアニル酸転移酵素と相同性の高い配列をコードすることが示された。HCE1タンパク質のN末端側及びC末端側をglutathione S-transferaseとの融合タンパク質としてそれぞれ大腸菌内で発現・精製し、試験管内で酵素活性を調べたところ、N末端側は5'-トリフォスファターゼ、C末端側はグアニル酸転移酵素活性を有した。従ってヒトキャッピング酵素は酵母のキャッピング酵素と異なり、単一タンパク質が5'-トリフォスファターゼ活性及びグアニル酸転移酵素を有することが明らかになった。またHCE1の3'末端側領域は出芽酵母Saccharomyces cerevisiaeのグアニル転移酵素遺伝子を機能的に相補したが、HCE1の5'末端側領域はS.cerevisiaeの5'-トリフォスファターゼ遺伝子欠失株を相補しなかったことから、ヒト及び酵母のキャッピング酵素は構造だけでなく機能的にも異なることが示唆された。
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