研究課題/領域番号 |
07670422
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
森岡 由起子 山形大学, 医学部, 助教授 (70113983)
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研究分担者 |
千葉 ヒロ子 山形大学, 医学部, 教授 (50123310)
生地 新 山形大学, 医学部, 講師 (20185177)
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キーワード | 出産 / マタニティー・ブルー / うつ状態 / 地域 / 養育態度 / 家族 / 不安 / 妊娠 |
研究概要 |
山形大学附属病院産科で出産した女性126名とA病院・B病院で出産した女性116名を対象とし、妊娠8ヶ月・産後1週・産後1カ月に、面接調査と自記式質問紙による調査を行った。面接では家族構成や出産場所の予定、育児の不安、家族の妊娠出産に対する態度について尋ねた。質問紙は、SDS、STAI、対象者自身の親の養育態度をみるPBI、MMPI、家族の援助状況の項目から構成されている。うつ状態の判定方法として、Steinマタニティブルー自己質問表を用いた。また、診療録より妊娠経過、分娩状況、産褥経過、新生児の状態を調べた。 山形大学で追跡可能であった111例において、産後1週では8例(7.2%)、産後1カ月では11例(9.9%)にうつ状態を認め、産後1週も産後1ヶ月もうつ状態であったものは2例であった。産後1週もしくは1カ月にうつ状態を呈したものは合計17例(15.3%)であった。A病院・B病院の116例については、産後1週では30例(25.9%)、産後1カ月では、29例(25.0%)がうつ状態なっていた。産後1週もしくは1ヶ月にうつ状態を呈したものは合計45例(38.8%)であった。病院によってうつ状態の分布になり差があった。 産後1週もしくは1ヶ月でうつ状態を呈したものを産後うつ群、それ以外を産後非うつ群として、両群の心理テストの経時的変化を検討した。また両群間で、背景要因や心理テスト結果を比較した。その結果、産後非うつ群では、妊娠中に比べ出産後、抑うつや不安が軽減する傾向があるのに対して、産後うつ群では、抑うつや不安が妊娠中から高い傾向があり、産後も持続することが示された。また、産後にうつ状態になることに、(1)初めての出産、(2)生まれた子供の障害、(3)自分の母親からケアされていなかったと感じていること、(4)周囲の援助の乏しさが関連している示唆された。
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