日本国内医科系大学学部等における医学国際交流の実績は年々増加している。ところがこれらの実績数増加が学術交流成果を直接に反映するものではない。本研究では過去の交流実績を振り返り、同時に評価法確立に資する研究を目的とする。東京大学と神戸大学の実績から、5つの評価課題を導いた。1.対象国または地域の医学医療の現状2.研究者の研究期間中の生活基盤と様式3.研究課題と内容4.研究成果の公表5.継続またはフォローアップ体制。これら5つの視点からの評価でなければ、発展途上国の現実にそぐわないものと考えた。5項目を細分して、そえぞれ10項目を抽出した。1では、地理、政治、社会文化、水施設、人口、疾病、死因、医療施設、医療従事者、衣食住。2では、言葉、機構、習慣、宗教、近隣、生活費、交通、知人等である。3では、実験、野外、調査、感染症、内科系、外科系、社会医学等である。4では、学会、論文、報告などで、5では、時刻への還元、財源、住民への貢献度等である。 総計50の項目について、一方法によるデータ収集でなく、二者択一の質問紙法、5段階評価法、文章回答、聞き取り、観察法などを採用する。公正な評価のためには、第三者によるチェック機能ももたせる。最終の段階では、データの数値変換を行い、多変量解析手法によって詳細な分析を行なうものとする。
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