大阪府で医療費援助を受けているパーキンソン病患者648名について、郵送調査をもとに重症度および療養姿勢と関連する心理社会的因子を調べた。 重症度はYahr分類を参考に、患者自身が回答可能な設問をもとに区分した。 療養姿勢は、(1)運動継続の努力、(2)昼間の臥床時間、(3)食事への配慮、(4)生活意欲の4項目の設問をもとに尺度化した。 重症度を目的変数とする重回帰分析では、性、年齢、罹病時間、抑うつ状態、記憶障害の程度等の交絡因子を補正しても、患者の療養姿勢が積極的であることは重症度に対して有意の負の関連を有していた。 次に、療養姿勢得点を目的変数に重回帰分析を行った結果、療養姿勢に対して有意な関連を示す因子として、抑うつ状態、重症度、医師による病気に説明、および保健所が行う患者交流会への参加の4変数が見いだされた。患者交流会事業への参加を通じて、患者の療養姿勢が積極的になっていることが示唆された。
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