研究概要 |
本研究の初年度である平成7年の研究では以下の結果と研究の進展を得た. (1)健康実態調査:兵庫県津名郡五色町(淡路島)に在住する小学校5年生から中学校3年生までの全児童・生徒を対象とし、昭和59年から毎年実施されている児童・生徒の健康実態調査を平成7年度も実施し,Follow-upを継続した. (2)蓄積された健康実態調査のデータを疫学的に解析し,血清コレステロールなどの成人病の危険因子にはTracking現象があることを確認するとともに,この時期のこどもの健康上問題となる貧血についても実態を明らかにした.また詳細な栄養調査から対象地域の児童・生徒の栄養摂取の実態が欧米のそれとは異なることを明らかにした.さらにライフスタイルについての調査を行い,朝食の規則正しい摂取が小児の健康に関する知識,態度および行動に強い影響を与えることを明らかにした. (3)健康教育カリキュラム,教材作成:各年齢層の発達段階に応じた教科プログラム試案を作成した.また,循環器疾患,糖尿病を中心とした成人病の成り立ち,リスクファクターについて五色町の現状と10年間にわたる学童の健康実態調査の成績を対比させて説明を加えたテキスト(子供のための成人病読本)を作成した. (4)健康教育の実施:五色町健康福祉課担当者,医師会,校長,担当教諭,養護教諭,校医と打ち合わせを行い,健康教育担当者の連携をはかった.
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