研究課題/領域番号 |
07670453
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
川名 はつ子 帝京大学, 医学部, 助手 (50091054)
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研究分担者 |
高木 晴良 帝京大学, 医学部, 助手 (90187930)
高野 貴子 帝京大学, 医学部, 助教授 (50236246)
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キーワード | ダウン症候群 / 肥満 / 発育 / 成人病 / 栄養調査 / 食生活 / 幼児 / 学童 |
研究概要 |
ダウン症幼児の栄養調査を実施して健常児との比較研究を行ない、療育教室に通う幼児では目だった肥満は生じておらず、栄養摂取量はやや少なめながら、健常児と共通のパターンを示しているとの結果を得た。不足がちの栄養素は食物繊維であり、食品群では魚・大豆製品、果物、野菜・海草、穀類が不足していた。エネルギーや炭水化物の摂りすぎはなかったが、菓子・ジュース類は過剰に摂取し、脂肪エネルギー比が多めである点にも注意を要する。栄養分析の結果をレーダーチャートで示し、分わかりやすく個別指導するプログラムを開発した。 次に学童期ダウン症児について、養護学校等での栄養摂取と肥満との関係の調査および1000名への郵送法による全国調査を実施した。学童期ダウン症児中の肥満児出現率は12%余で従来のどのダウン症児調査より低かったが、健常児の平均7%余よりは高い。ダウン症児中の肥満群・非肥満群に比較により、肥満は幼児期から始まっており、その要因として幼児期の栄養摂取の問題と思春期頃からの身体活動性の低下が与えられた。その対策が今後の課題であるが、療育教室等で早期から栄養指導を行い、養育者の意識を高めることにより肥満を予防できると考えられる。これまでの成果に基づく家庭用の栄養指導手引書を1996年中に出版する予定で執筆中である。 また成人期ダウン症者への調査では、概ね20-40代で健康で作業所に通所している者に成人病の微候はまだ現われていなかった。重症心身障害児施設に長期入所している者も、合併症が重かったためか、給食でコントロールされているためか、肥満はなく、特記されるべき健康障害は見られなった。これ以外の、作業所を退所した者や在宅ケアが不可能になって遠方の施設などに入所したと思われる成人ダウン症者の生活や健康の実態についても調査し、成人期ダウン症者の加齢にともなう食生活の変化と肥満その他健康問題の実態をさらに調べる必要がある。
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