(1)アロカ(株)の電子ポケット線量計から得た指示値に、放射線影響協会の岡野眞治らの求めた校正定数を乗じて、各路線を1往復した場合の乗務員の体外被曝線量を算出した。現在までに得られた結果を(2)〜(4)に記す。 (2)代表的な北米路線である成田-ニューヨーク路線(往路21回、復路22回の測定の平均)、成田-ワシントン路線(往路7回、復路7回の測定の平均)、成田-シカゴ路線(往路10回、復路10回の測定の平均)および成田-ロサンゼルス路線(往路9回、復路10回の測定の平均)の体外被曝線量は、おのおの93.3μSv(往復飛行時間26時間8分)、76.7μSv(同25時間50分)、80.4μSv(同24時間11分)および57.3μSv(同20時間58分)であった。 (3)代表的なヨーロッパ路線である成田-ロンドン路線(往路15回、復路13回の測定の平均)、成田-パリ路線(往路7回、復路8回の測定の平均)、成田-アムステルダム路線(往路3回、復路3回の測定の平均)および成田-フランクフルト路線(往路7回、復路7回の測定の平均)、の体外被曝線量はおのおの82.6μSv(往復飛行時間24時間6分)、80.6μSv(同24時間6分)、80.5μSv(同23時間41分)および75.9μSv(同23時間37分)であった。 (4)成田-シドニー路線等の南半球路線、成田-ジャカルタ路線等のアジア路線についても測定を実施したが、低緯度飛行路線であるため、岡野らの求めた校正定数をそのまま使用すると、南半球路線では約35%、アジア路線では約25%も体外被曝線量が過大評価になる傾向が認められた。
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