研究概要 |
我々はこれまでに、Flow-volume曲線の波形解析として1秒率と共に、A-,B-,S_A-,S_B-,R-lineから成るR_<AT>-FEV_<1%> nomogramを開発し、気道過敏性素因と喫煙習慣の分離抽出を試みてきた。 1.中高年非喫煙者に対する緑黄野菜摂取状況別のR_<AT>-FEV_<1%> nomogramと血清総IgE値との関係 (1)緑黄野菜摂取の多い群でA-,B-lineの軌道を示す例が多いが、少ない群ではS_A-,S_B-lineの軌跡を示す例が多い。 (2)血清総IgE値<100μ/mlの群ではA-,S_A-lineの割合が高く、100μ/ml以上の群では、B-,S_B-lineの割合が高い。 2.中高年喫煙者に対する緑黄野菜摂取状況別のR_<AT>-FEV_<1%> nomogram (1)喫煙指数(ブリンクマンインデックス(BI))250以上500未満、500≦BI<750群の何れでも緑黄野菜摂取の多い群は少ない群に比べR_<AT>>0の範囲に位置する割合が多かった。 (2)500≦BI<750群では緑黄野菜摂取の多少に拘わらず、B-,S_A-,S_B-lineの近傍に位置し、判別が困難である。 (3)R_<AT>-FEV_<1%>と血清総IgE値との関係では、250≦BI<750群で、IgE値<100μ/ml群でがA-,S_A-lineの割合が高く、IgE値≧100μ/ml群ではB-,S_B-lineの割合が高い。 以上より、中高年非喫煙者及び250≦BI<500の喫煙群では気道アレルギー高感受性者スクリーニングが有用であり、緑黄野菜摂取状況の把握が有用と考えられる。しかし、BI≧500の喫煙者群では判別困難な例が多い。 今年度研究成果の発表 第68回日本衛生学会(1996,札幌)で、発表予定である。 演題名「気道過敏性-高感受性群の新スクリーニング法としてのR_<AT>-FEV_<1%> nomogram」 演題名「R_<AJ>-FEV_<1%> nomogramからみた中高年労働者の気道アレルギー高感受性者スクリーニングの意義について」
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