研究課題/領域番号 |
07670484
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
山内 春夫 新潟大学, 医学部, 教授 (30134919)
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研究分担者 |
出羽 厚二 新潟大学, 医学部, 助手 (10197832)
内藤 笑美子 新潟大学, 医学部, 助手 (80018811)
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キーワード | DNA多型 / マイクロサテライト / PCR法 / STR / vWF / TH |
研究概要 |
法医学における個人識別において、いろいろな血液型システムの遺伝的多型に加え、ミニサテライトやマイクロサテライトなどのDNA多型をPCR法で検出する方法がひろく行われるようになってきた。特に、2〜4塩基リピートのマイクロサテライトは、ヒトゲノム中に多数存在しており、全体の長さが200〜300bpと短く、PCR法が容易に行える利点を持っている。我々は、これまで、GCG(第2染色体)、vWF(第2染色体)、TH(第11染色体)という3種類のマイクロサテライトの多型を分析し、それぞれが個人識別に有用であり、3種類のマイクロサテライトを組み合わせると、210人が201パターンになることを証明した。さらに1〜2種類のマイクロサテライトの多型を組み合わせることで、実用的な個人識別法となると考えられ、4種類のマイクロサテライト多型による個人識別法を目標としている。 本年度は (1)白人で多型性の報告されている4塩基リピートのマイクロサテライトを数種類検討したが、当初目的とした9番およびX染色体上の有用なマーカーはこれまでのところ得られなかった。 (2)当研究室で分析しているvWFの近傍にはもう一つの4塩基リピート(Kimptonらのプライマーを用いたSTRタイピングキットにより検出される)が位置しており、日本人でも高い多型性を示していることを確認した。210人の日本人について分析した結果、PICは0.76でHeterozygosityは79%であった。 (3)さらに、上記2つの連鎖したマイクロサテライトのハプロタイプ(約100人)を家系調査から検討したところ、PICは0.92、Heterozygosityは95%とより高い多型性を示し、血縁関係の有無を推定するために極めて有用であることが期待された。 (4)X染色体上のマイクロサテライトマーカーについては、高い多型性を示す4塩基リピートのマーカーがみつからず、3塩基リピートマーカーを含めて現在検討中である。
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