研究概要 |
組織をホモジネートした後、クロロホルム:メタノールで脂質を抽出し、抽出物をアセトン沈殿させたものを資料とした。この抽出物を無水ピリジンに溶解し、更に、安息香酸無水物及びジメチルアミノピリジンを加え、37℃に一晩保温して、糖脂質のベンゾイル誘導体を作成する。これをヘキサンに溶解し、更に、メタノール及び炭酸ナトリウムで洗浄し、最後に、窒素でヘキサンを蒸発させ、四塩化炭素に溶解して液体クロマトグラフ試料とした。高速液体クロマトグラフィーは、ゾルバックスODSカラム(φ4.5mm×25cm:島津)を用い、メタノール、イソプロパノール、及びアセトニトリルの混合溶媒を毎分2ml流して試料を抽出する。 豚の脳を資料とした溶出パターンでは、31.2min,32.6min,35.3min,36.9minの溶出時間で、ピークの高さがそれぞれ0.67±0.02,0.93±0.07,0.80±0.01,1.0±0.01であった。牛の脳では、同一の溶出時間にピークの高さがそれぞれ0.28±0.03,0.36±0.04,0.30±0.009,1.0±0.01である溶出パターンが得られた。 脳を室温に半年間放置したものを資料とした場合にも、この溶出パターンに変化は見られなかった。 肝臓や腎臓を資料とした場合には抽出される脂質の量が脳に比べて約1/20であって、豚の肝ではほぼ同一の溶出時間にピークの高さがそれぞれ1.37,2.15,1.49,1.0であり、腎では0.80,1.08,1.30,1.0であった。
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