研究概要 |
1.DNA試料からの薬毒物代謝酵素遺伝子型判定 グルタチオンS-トランスフェラーゼ(GSTM1),N-アセチルトランスフェラーゼ(NAT2)について,それらの遺伝子型を数十名以上の日本人,ヨーロッパ白人その他の集団から得たDNA試料を用いて解析した.GSTM1遺伝子型に関しては,ホモ接合性の遺伝子欠質により惹起されるところのGSTM1欠損を示す者はどの集団でも約半数であった.また,NAT2遺伝子型に関しては,日本人では約10%が,白人では約半数がNAT2のallele1を保持せず,slow acetylatorであると判定された. アルデヒド脱水素酵素遺伝子塩基配列の種差 ヒトのアルデヒド脱水素酵素遺伝子(ALDH2)の塩基配列をニホンザル,ネコ,ウサギのそれと比較したところ,両者に顕著な差は認められなかった.さらに,塩基配列から推定されるアミノ酸配列を比較すると,ヒトにおいて「欠損型」酵素であるか否かを決定する第487アミノ酸は,どの動物ぶおいてもグルタミン酸であり,ヒトの「正常型」酵素のそれと同じあった.
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