研究課題/領域番号 |
07670494
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研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
井尻 巖 香川医科大学, 医学部, 教授 (90113183)
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研究分担者 |
木下 博之 香川医科大学, 医学部, 助手 (00284357)
飴野 清 香川医科大学, 医学部, 助教授 (50019626)
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キーワード | エタノール / アセトアルデヒド / in situ一回かん流 / 腸管吸収 / マイクロスフェア-法 / 組織血流 |
研究概要 |
ラットの腸管にループを作製し、in situ一回かん流法により、ループ内を4%エタノール(EtOH)溶液でかん流した。シアナマイド(CY)で前処理をして血中アセトアルデヒド(AcH)を増加させると、腸管ループからのEtOHの吸収が抑制され、これは吸収部位や門脈の血流低下だけによるものではないことを見い出した。 これまでの一連の実経で、血中AcHが増加した状態ではかん流液の回収量が増加するとともに、腸管粘膜に強い浮腫が観察されており、腸管局所での浮腫や分泌増加が吸収抑制に関与している可能性も示唆された。そこで今回、かん流後回収した溶液中のヒスタミンとプロスタグランジンF_2(PGF_2)について検討を行った。 ヒスタミンは生食だけあるいはCYで前処理後に生食でかん流しても溶液中には検出されなかった。一方、EtOHでかん流するとわずかに検出され(0.6【plus-minus】0.08nmol/l)、CYで前処理すると有意に増加した(2.6【plus-minus】0.99nmol/l)。PGF_2については、現在例数が少なく結論づけることは困難であるが、CYの前処理により有意に低下する傾向がみられる。 ヒスタミン、PGF_2とも腸管からの分泌を亢進するといわれている。血中にAcHを増加させると回収かん流液中にヒスタミンは有意に増加したが、PGF_2はむしろ低下し、相反する結果となった。今回の実験は両物質がEtOHの腸管からの吸収に何らかの関与を示唆するものと考えられ、今後はこれらの定量の確立と腸管組織内での変動についても検討する予定である。
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