研究課題/領域番号 |
07670524
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
須甲 松信 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (80107622)
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研究分担者 |
森 晶夫 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
奥平 博一 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (30106645)
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キーワード | キメラマウス / A / Jマウス / C3H / Heマウス / 気道過敏性 / メサコリン |
研究概要 |
1.平成7年度において、マウスの気道過敏性測定装置を作製し、Konzett Rossler法によりマウスの気道過敏性を測定したところ、マウス純系のうちA/JとDBA/2がメサコリンに対して気道過敏性が高く、C3H/HeとC57BL6が低いことが明かとなった。そこで気道過敏性の高いA/Jマウスと低いC3H/Heのキメラマウスを作製し、気道と肺がキメラ状態にある時、気道過敏性はどのような影響を受けるか検討した。 2.方法 A/JおよびC3Hマウスのメスにヒトゴナドトロピンを注射し排卵させ、それぞれ受精させた後2日目に卵管と子宮を取り出し、洗浄して受精卵を採取した。A/JとC3Hの受精卵を混合し、8細胞期目にPHAを加え融合させた。融合卵を偽妊娠状態のICRメスマウスの子宮内に注入し着床させた。A/J、C3HおよびA/J【tautomer】C3Hキメラマウスにメサコリンを吸入させ、Konzett Rossler法により気道の過敏性を測定した。 3.結果と考察 キメラマウスの作製を3回試みたが、得られたのは1匹だけであった。それは毛の色がモザイク状に黒と白のまだらであることから確認できた。A/J、C3H、A/J【tautomer】C3Hキメラのメサコリン気道過敏性は、それぞれ10.9U、16.6U、11.4Uを示し、キメラマウスの過敏性は、A/JとC3Hの間にあることが分かった。A/JとC3Hを交配させた時の子(F1)は、常染色体劣性遺伝により気道は過敏性は低いと報告されているが、キメラ状態ではその中間になる可能性が示された。臓器の移植を受けた患者は、移植臓器の組織細胞がキメラ状態に存在していると予想されるが、キメラマウスは、そのモデルとなることが期待される。
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