研究概要 |
♯1 HLA-B27 subtypeを決定するためのPCR-SSOP法を確立し、日本人集団におけるHLA-B27 subtypeを決定した。HLA-B27陽性日本人強直性脊椎炎、Reiter症候群患者21例中、14例(67%)がB^*2074、7例(33%)がB^*2705であった。これに対し、健常人B27陽性者11例中9例(82%)がB^*2704,2例(18%)がB^*2705であった。このことから、日本人におけるHLA-B27の主要なsubtypeはB^*2704であること、日本人においてB^*2704とB^*2705のいずれもが疾患感受性に関連することが確認された(J.Rheumatol.in press)。 ♯2 HLA-B27陽性一卵性双生児である強直性脊椎炎発症者(D.C.)と非発症者(D.B.)のペアのそれぞれより樹立したB細胞株を大量培養し、約5×10^9個の細胞を得、可溶化し、超遠心後の上清からHLA-B27抗原を抗HLA-B27モノクローナル抗体(ME1)を固相化したaffinity columnにて精製し、酸を加えて抗原ペプチドを溶出、LC/MSを用いて解析した。D.B.からも8種類のpeptideのピークが検出され、それぞれの分子量は1039、1172あるいは1173、1131、1225、1181、1152、1083、1127であった。また、D.C.からも基本的に同一のピークが検出された。これらのうち、分子量1039のピークはアミノ酸配列解析の結果、Jardetzkyらの報告(Nature 353:326-329,1191)にみられるGRIDKPILKに相当することが確認された。 ♯3 全身性エリテマトーデス患者血清の可溶性HLA-class I抗原濃度が上昇していること、疾患活動性と相関がみられることを観察し、血清が新たなHLA結合peptide同定のsourceとなりうることが示唆された(Arthritis Rheum. in press)。
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