1.HLA-B27 subtypeのDNAタイピング法をPCR-SSOP法を用いて作製し、日本人HLA-B27陽性強直性脊椎炎(AS)・反応性関節炎患者および健常者のHLA-B27 subtypeを決定した。この結果、日本人集団にみられるHLA-B27は主としてB^*2704とB^*2705であり、前者がほぼ70%を占めること、両者ともに疾患感受性であること、B^*2704はA^*1102と連鎖不平衡にあることを新たに見いだした。また、HLA-B遺伝子座近傍にあらたに記載されたclass I様遺伝子であるMICAのタイピング法を確立し、HLA-B^*2704とMICA010、B^*2705とMICA007がそれぞれ強い関連を有することを新たに見いだした。 2.一方がASを発症し、一方が非発症のHLA-B27陽性一卵性双生児のB細胞株よりHLA-B27結合抗原プピチドを抽出し、分子量、アミノ酸配列を比較した。両者ともに9種類のペプチドが検出され、うち1種のアミノ酸配列が決定された。AS発症者、非発症者における明らかな差は認められなかった。 3.血清中に存在する可溶性HLA-class I抗原(sHLA-class I)のELISAによる定量法を確立し、全身性エリテマトーデス(SLE)患者における顕著な上昇を見いだした。sHLA-class Iは疾患活動性と有意に相関した。RT-PCR法およびWestem blot法により、SLE患者におけるsHLA-class Iはproteolytic cleavageおよびalternative splicingによって産生されることが示された。
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