研究概要 |
〔目的〕最近呼気中に一酸化窒素(NO)が含まれ,測定可能であり,気管支喘息患者ではその値が高いことが分かった。呼気中のNOについては、肺線維症や肺高血圧症などにおける生理学的な意義はまだ検討がなされていない。肺高血圧症患者において,NOの肺内での産生が低下しているといういくつかの報告がある。NOは血管拡張作用があるため,肺高血圧症患者にNO吸入療法も試みられている。肺高血圧症患者の呼気中NOを測定することは,病態の解明ないし治療法の確立に,有益な情報をもたらすと考えられる。 〔対象〕現在までに6例の肺線維症を合併する膠原病患者(うち肺高血圧症合併3例),サルコイドーシス2例,計8例(女性5例,男性3例,平均年齢54±13才)に対して,呼気ガス中のNOを測定した。 〔方法〕被験者はマスクを装着し、安静座位にて自然な状態で呼吸をする。NOをほとんど含まない空気をボンベよりreservoir bagに送り,それを吸入させる。Silver社製NO分析計NOAにより,呼気と吸気中のNO濃度を連続的に測定する。(測定可能範囲:3-100mmp) 〔結果〕安静時の呼気中の平均NO濃度は,対象患者において29.1±5.6(SD)ppmと,正常者の20.7±4.8(SD)ppmに比して有意に(p<0.005)増加していた。肺高血圧症合併例と被合併例では有意差はなかった。今後,膠原病症例8-10例,肺線維症,肺高血圧症合併例8-10例を目標として,症例を蓄積する予定である。VE,VE/VCO_2などの呼気ガス結果,血中NO濃度も測定してあるが,今回は症例が少ないためまとめなかった。
|