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1996 年度 実績報告書

肺高血圧症における一酸化窒素(NO)吸入療法の臨床的研究

研究課題

研究課題/領域番号 07670526
研究機関東京大学

研究代表者

村田 一郎  東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (30190911)

研究分担者 佐藤 誠  東京大学, 医学部・附属病院, 助手
竹内 二士夫  東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (70154979)
滝沢 始  東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (80171578)
キーワード肺高血圧症 / 一酸化窒素(NO) / 呼気中NO / 強皮症 / 肺線維症 / 肺血管病変 / NO吸入
研究概要

我々は膠原病に合併する肺高血圧(pH)症例の呼気中一酸化窒素(NO)を測定し,肺におけるNO産生動態を検討した。呼気中NOの多くは鼻咽頭粘膜由来であるが,マウスピースや鼻クリップの使用による測定は下気道からのNO産生を反映し,肺血管内皮機能の解析に有用と考えられる。pHを合併する強皮症とその関連疾患18症例,正常対照例15例(平均年令44±11歳)を対象とした。18例中13例(51±13歳)ではpHの原因が肺血管病変であり、5例(47±9歳)は肺線維症であった。安静座位,座位自転車による運動漸増負荷(6W/sec)中にNO濃度,排出量を測定した。マウスピースの先に呼気ガス分析器に付属する熱線流量計を付け,連続的に呼気量を測定した。被験者の呼気を流量計の部分につけたサンプリングチューブで集め,そのNO濃度をchemiluminescence法によるNO濃度測定器(米Sievers社製,NOA)で測定した(測定可能範囲:3ppb-100ppm)。呼気ガス分析器(ミナト社製,RM-280)より呼気量を連続的に記録し,呼気中NO濃度の平均値と分時換気量を乗じ,NO排出量を求めた。その結果正常対照例では,NO排出量が運動負荷で安静時と比べて倍以上に増加したが,肺血管病変群では有意な増加がみられなかった(P<0.001)。肺線維症群においては,NO排出量は安静時,運動負荷時共に,対照群,肺血管病変群と比べて有意に低値を示し(p<0.01),肺血管床の減少が原因と考えられた。pHを合併する症例で運動負荷時にNO排出量の有意に増加しないのは,運動負荷時の毛細血管床の増加が不充分である事が原因と考えられた。これらの症例ではNO吸入が肺血管抵抗を減じ,pHに対する補充療法となる可能性がある。実際の投与方法やNO濃度が今後の研究課題である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Ichiro Murata: "Clinical evaluation of pulmonay hypertension in systemic sclerosis and related disorders:A Doppler echocardiographic stet" Chest. 111. 36-43 (1997)

  • [文献書誌] Ichiro Murata: "Long-term vasodilator Therary of pulmonay hypertension in mixed connectine tissue disease" Japanese Journal of Rheumatology. 6(2). 345-351 (1996)

  • [文献書誌] 村田一郎: "肺高血圧症を合併する膠原病症例におけるPGE_1急性効果と長期的血管拡張療法の有用性についての検討" Thevapeutic Research. 17(4). 207-212 (1996)

  • [文献書誌] 村田一郎: "強皮症近縁疾患における瘍型と肺高血圧症合併の臨床的検討(続々報)" 厚生省特定疾患混合性結合組織薬 調査研究斑 平成7年度 研究報告書. 41-44 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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