研究概要 |
SLEは全身性自己免疫患者の典型であり、その病態形成にはB細胞による自己抵抗産生とT細胞による免疫調節の異常が関与している。一方、CD28分子はアクセサリー分子の一つで、T細胞の活性化の中心的な役割を果たす。最近このCD28分子を欠いたCD4+CD28-T細胞がアナジーに陥らないことが報告され、自己免疫疾患での関与が示唆されている。我々はSLE患者においてCD4+CD28-T細胞が増加していることを見いだし、その病態における役割を解析した。正常者ではCD4+CD28-T細胞は3.2%に対し、SLE患者では11.8%と増加しており、その細胞表面抗体はHLA-DR(+),IL-2receptor(-),VLAβbright,LFA-1αbrigheで後期活性化抗原を有していた。SLE患者のCD4+CD28-T細胞のTCRの使用には偏りがあり、オリゴクロナリティーを有した細胞群であることが明らかになった。これらの結果からSLE患者のCD4+CD28-T細胞はin viroで何らかの抗原刺激を受け、拡大した細胞群であるこがあ明らかになった。CD4+CD28-T細胞から非刺激状態で大量のIL-6の産生を認めた。我々はさらに詳細にCD4+CD28-T細胞の機能解析を行う目的で、SLE患者末梢血からCD4+CD28-T細胞クローンと、CD4+CD28-T細胞クローンをそれぞれ樹立することに成功した。今後このクローンを用いてさらに解析を進めた。
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