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1995 年度 実績報告書

胃癌の浸潤に関わるβ-カテニン異常の解析

研究課題

研究課題/領域番号 07670605
研究種目

一般研究(C)

研究機関札幌医科大学

研究代表者

高橋 康雄  札幌医科大学, 医学部, 助手 (10236325)

研究分担者 加藤 純二  札幌医科大学, 医学部, 講師 (20244345)
キーワードE-cadherin / β-catenin / スキルス胃癌 / adherence junction / transfection / Southern blot
研究概要

癌の浸潤・転移の最初のステップには,癌組織から癌細胞が解離することが必要であり,その過程にカルシウム依存性の細胞間接着分子であるE-cadherin(E-cad)の機能低下が関与する。最近,E-cadの機能を制御する因子として細胞内裏打ち蛋白であるcatenins(α,β,γ-catenin)の存在が示され,cateninの異常がE-cadの接着機能低下を起こす可能性があるが,その詳細な機構は不明であった。
申請者らはこれまで,E-cadの発現が正常であるにもかかわらず,細胞間接着が失われているスキルス胃癌細胞(HSC-39)において,新たなE-cad機能障害の機序としてβ-catenin遺伝子のN側ドメインの部分deletionを見い出した。
平成7年度の研究においては,申請者の教室で保有しているHSC-39以外の培養スキルス胃癌細胞株4株(OCUM-1,KATO-III,NUGC-4,JR-1)を用いて,E-cadの細胞接着機能およびβ-cateninの変異の有無を検討した.
その結果,スキルス胃癌細胞株では4株ともカルシウム依存性の細胞接着能は消していた.そのうちの3株(OCUM-1,NUGC-4,JR-1)では,E-cadの翻訳レベルでの発現低下が存在し,Southern blotによるβ-catenin遺伝子の検討ではいずれも異常がなかった.しかし,KATO-III細胞ではb-catenin遺伝子のrearrengementおよびamplificationが存在することを見い出した.また,HSC-39に野生型β-catenin遺伝子を導入し,得られたtransfectant(HSC-39b)を用いてb-cateninの機能について検討を行った。その結果,HSC-39親株は浮遊細胞であるが,HSC-39β細胞ではcell compactionが回復し,culture dishへの付着性が出現し,また,HSC-39β細胞の増殖曲線を検討したところ,HSC-39bの増殖は親株に比べ70%抑制されていることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Kawanishi J,Kato J,et al.: "Loss of E-cadherin dependent cell-cell adhesion due to mutation of he β-catenin gene in A human gastric cancer cell line,HSC-39." Mol.Cell.Biol.15. 1175-1181 (1995)

  • [文献書誌] 川西譲児,加藤純二他.: "スキルス胃癌細胞株におけるβ-カテニン遺伝子異常によるE-カドヘリン機能障害." 日本臨床. 53. 1590-1594 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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