研究課題/領域番号 |
07670614
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
松崎 松平 東海大学, 医学部, 助教授 (40110902)
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研究分担者 |
西崎 泰弘 東海大学, 医学部, 助手 (80237693)
渡辺 勲史 東海大学, 医学部, 助教授 (90167156)
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キーワード | アルコール / 肝障害 / Oxidative Stress / 微小循環 |
研究概要 |
申請後、慢性アルコール性肝障害患者において、微小循環障害がその病態形成に関与するとのいくつかの知見を得て報告した。すなわち、赤血球容積の増大とmembrane fluidityの低下に基ずく膜変形能の障害が存在し、これが狭少化傾向を示す類洞において、組織レベルでの低酸素状態を慢性的に惹起し、細胞障害を助長すると考えられた(Alcohol and Alcoholism 29: 1-4, 1994)。アルコール性肝障害の進行に伴い血小板数の低下、平均血小板容積の増大、血小板凝集能の亢進が認められた(1995. 8.第30回日本アルコール医学会にて口演)。血清-膜脂肪酸組成に解離を認め、特に膜脂肪酸のThrombogenic Indexの著明な上昇より、血栓形成促進傾向にあると考えられた(Alcoholism 20: 1996)。実験的には、レーザードップラー血流計と臓器反射スペクトル血流計を用いて、アルコールの経門脈的急性投与により、肝微小循環障害が惹起されることを確認した。 これらのデーターは今後の実験遂行の道標ともなるべきものであり、今年度はさらに、生体顕微鏡を駆使し、Zone別の定量的解析とfreeradicalsの関与、Kupffer細胞機能、ミトコンドリア機能などについて検討する。これにより現象論的に捉えた肝微小循環障害の発生機序を、類洞あるいは肝細胞レベルでの検討へと展開させ、アルコール性肝障害の進展機序の一端を解明できるものと考える。
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