モルモット単離壁細胞の実験系を用いて下記の研究実績を得た。 1).壁細胞の酸分泌機構にσ受容体を介する経路が存在することを、σ受容体のリガンドであるDTG (di-ortho-toryl-guanidine)が酸分泌刺激作用を有すること、^3H-DTGが壁細胞膜に結合することにより証明し、DTG投与の際のcyclic AMPおよびcalcium ionの変動を検討した結果、この経路のsecond messengerはcalcium ionであることが示唆された。以上のことを第80回日本消化器病学会総会および第36回日本消化器病学会大会で報告し、現在論文を投稿中である。 2).胃粘膜防御機構を障害する作用により消化性潰瘍成因の1因子とされているPAF (platelet activating factor)が細胞内calcium ion上昇作用を有することに鑑み、検討を行ったところ、10^<-6>Mピークとなるような酸分泌刺激作用を示し、カルシウム拮抗剤であるverapamilで抑制され、壁細胞にPAF受容体の存在が示唆される成績を得た。このことを第80回日本消化器病学会総会で報告し、現在論文を投稿中である。 3).局所粘膜麻酔薬であるprocaineがacetylcholineと化学構造の類似性を有することに鑑み、10^<-5>M carbachol刺激で惹起される酸分泌反応に対する影響を見たところ、10^<-5>Mで最大に達する2相性の相加反応を示した。この効果の詳細および意義につき、現在検討中である。
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