研究実績の概要 本研究は、HBs抗原に対して特異的機能を持つCD4T細胞クローンを作製しその特徴を解析することで、HBVに対する免疫反応を解析することにより、B型肝炎発病の機構、あるいは、その免疫学的寛容状態の機序を解析することを目的として行われた。 研究の初期には、HBs抗原に特異的に反応するCD4陽性T細胞クローンの作製を試みた。作製にあたり、B型慢性肝炎発症との関連だけでなく、HBワクチンに対する反応性におけるCD4T細胞の特徴を解析するため、HBワクチン非応答者の末梢血リンパ球を用いて、CD4細胞クローンの確立を試みた。その結果、ワクチンに対する応答者と同様に、非応答者の末梢血リンパ球にも、HBs抗原反応性細胞んぼ存在確認できた。次いで、これらのワクチン接種者由来のCD4クローン細胞の確立を試み、結果として、応答者、非応答者各2例から、8種類のクローン細胞の確立に成功した。これらのクローン細胞は、いずれも、HBs抗原にのみ反応する機能を持つ。その際に、HBワクチンに対する、応答者(HR)、非応答者(NR)各2例から、HBs抗原にのみ反応するクローン細胞の確立に成功した。これらのクローン細胞は、HR、NR由来のCD4クローンにおいて、それぞれ少なくとも3種類のTCRVβ遺伝子を持つクローンが存在することがあきらかとなった。次いで、行ったCytokine産生による解析からγIFNを産生するThl型CD4が多く認められたが、中にはIL-4を産生するCD4クローンも存在し、特定のCD4亜集団への偏りはHR、NR両方のクローンにおいて認められなかった。現在、CD4クローンの機能を制御する機能を持つCD8クローンの作製にも成功しており、これらのCD4クローン細胞の肝炎発生における役割について検討すると同時に、その機能を制御する機序についても検討を加えている。
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