研究概要 |
【目的】開発した小型セラミック超音波発振素子と大腸癌細胞株を用い、消化器癌に対する音響化学療法の効果を判定し、大腸癌に対する治療法の有効性を検討した。 【方法】大腸癌細胞株colon26 (1×106/ml) 1mlを試験管に分注し、Photofrin 0mg, 50mg, 100mg, 200mgを添加した。小型セラミック超音波発振素子(4×4×1mm)付きカテーテルを培養液中に挿入し、超音波430kHz, 0w/cm2, 0.15w/cm2, 0.3w/cm2, 0.45w/cm2,にて作動させ、0秒,10秒,20秒,30秒間連続照射した。照射直後それぞれの検体の生細胞比率をトリパンブルー色素排除法を用い算定した。 【結果】colon26細胞のPhotofrin単独投与群では生存率に変化は認められず、超音波単独投与群では照射時間に相関して生存率は低下し、0.45w/cm2, 0秒,10秒,20秒,30秒,照射で生存率は100%,67%,62%,28%であった。Photofrin+超音波照射併用群では薬物濃度の増加に伴い生存率はさらに低下し、200mg, 0.45w/cm2, 0秒, 10秒,20秒,30秒で100%, 30%, 19%, 13%であった。 【結論】大腸癌細胞株を用いた今回の実験結果より、音響化学療法の消化器癌に対する著明な抗腫瘍効果が認められた。我々は体内挿入可能な小型セラミック超音波発振素子を用いており、消化器癌に対する新しい内視鏡的治療手段として期待される。
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