研究概要 |
卵白アルブミン(OA)週3回、1ヵ月吸入による感作BNラットの検討を行った.吸入OA濃度は0.1%,1.0%,5.0%の3種類を用いた.1ヵ月後、OA吸入ではOA濃度が上昇するにつれ気道反応が低下する、所謂脱感作現象が観察された.しかし、気道過敏性の検討では、OAの濃度が上昇するにつれ、気道過敏性の亢進が認められた.リモデリングの客観的に評価するた、組織計測では平滑筋アクチンを蛍光染色し、蛍光顕微鏡とコンピュータを用いた計測を行った.気道平滑筋の増生は認められなかったが、1.0%,5.0%OA吸入群において気道上皮の肥厚が認められた.また、OAの濃度依存性にで気道上皮細胞の内、ゴブレット細胞の増加が認められ、その数と気道過敏性に有意な相関を認めた.以上の結果から、1ヵ月吸入では、まず、気道上皮のリモデリングが形成され、これが気道過敏性と関連すると考えられた.1ヵ月連続吸入群で気道平滑筋の肥大・増生が出現しなかったため、OA濃度5%、吸入期間3ヵ月の群を作製し、検討を行った.気道過敏性については、OA吸入群で有意な亢進が認められている.現在、平滑筋の増生の有無を組織計側にて検討中である.また、浸透圧ポンプを用いる薬物投与に関しては、プレリミナリーな検討が終了し、一ヵ月間の持続投与が可能であることを確認した.
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