研究課題/領域番号 |
07670663
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
本田 孝行 信州大学, 医学部・附属病院, 講師 (80238815)
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研究分担者 |
久保 恵嗣 信州大学, 医学部, 講師 (80143965)
小林 俊夫 信州大学, 医学部・附属病院, 講師 (80020775)
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キーワード | 気管支喘息 / 緬羊 / 即時型喘息反応 / 遅発型喘息反応 / 好酸球 / 気道反応性亢進 / 誘発喀痰 / ECP |
研究概要 |
アスカリス自然感作緬羊にアスラリス抗原を吸入暴露すると、約70%の緬羊では暴露15分後にピークとなる即時型の気道収縮反応(IAR)と暴露6時間後から認められる遅発型の気道収縮反応(LAR)の両者がみられた(Dual Responder)が、残りの30%ではIARのみがみられた(Single Responder)。Dual Responderでは抗原吸入暴露8時間後にメサコリンに対する気道反応性亢進(AHR)と好中球および好酸球の気道への集積が認められたが、Single Responderでは軽度の気道反応性亢進と好中球の集積が認められたのみであり、LARおよびAHRの発現には好酸球の気道への集積が不可欠と考えられた。次に実際の気管支喘息患者において気道の炎症細胞、特に好酸球が病態にどの程度関与しているかについて高張食塩水吸入誘発喀痰法を用いて検討した。気管支喘息患者では健常人と比較して、誘発喀痰中の好酸球比率および活性化された好酸球から脱顆粒により遊離されたEosinophil cationic protein(ECP)は有意に高値を示し、更に、気管支喘息患者を臨床症状から軽症、中等症、重症の3群に分けると、誘発喀痰中ECP濃度は重症度に応じて有意差をもって高値を示し、発作点数と有意な正の相関、起床時のピークフロー値と有意な負の相関がみられたことから、気管支喘息の重症度および気道収縮に活性化された好酸球が重要に関与していることが示唆され、気道炎症細胞としての好酸球の重要性に関して、これまでの緬羊を用いた喘息モデルでの実験結果と一致すると考えられた。
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