研究課題/領域番号 |
07670663
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
本田 孝行 信州大学, 医学部・附属病院, 講師 (80238815)
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研究分担者 |
藤本 圭作 信州大学, 医学部・附属病院, 助手 (70242691)
久保 恵嗣 信州大学, 医学部, 講師 (80143965)
小林 俊夫 信州大学, 医学部・附属病院, 講師 (80020775)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | 気管支喘息 / 抗原誘発喘息反応 / 好酸球 / 脂質酸化 / アスカリス感作緬羊 / 気道反応性亢進 / 誘発喀痰 / Eosinophic caticnic protein |
研究概要 |
アスカリス自然感作緬羊に抗原を吸入暴露すると、約70%の緬羊では即時型の気道収縮反応(IAR)と遅発型の気道収縮反応(LAR)の両者がみられた(Dual Responder)が、残りの30%ではIARのみがみられた(Single Responder)。Dual Responderでは抗原吸入暴露8時間後にメサコリンに対する気道反応性亢進(AHR)と好中球および好酸球の気道への集積が認められたが、Single Responderでは軽度の気道反応性亢進と好中球の集積が認められたのみであり、LARおよびAHRの発現には好酸球の気道への集積が不可欠と考えられた。更に、Dual Responderに脂質酸化酵素阻害剤U-74006Fおよび特異的好酸球遊走阻止剤TAK-225を前投与すると、気道への好酸球の集積を阻害し、気道収縮反応、特にLARを顕著に抑制した。U-74006FはAHRを抑制しなかったが、TAK-225は抑制を示した。以上より、抗原吸入誘発喘息反応には脂質酸化がその反応経路に重要に関与しており、特に気道への好酸球浸潤と密接に関連して、LARの発現に寄与していると考えられた。また、抗原吸入暴露8時間後のAHRにも一部好酸球が関与していると考えられた。次に実際の気管支喘息患者において気道の炎症細胞、特に好酸球が病態にどの程度関与しているかについて誘発喀痰法を用いて検討した。気管支喘息患者では喀痰中の好酸球およびECPは重症度に応じて有意差をもって高値を示し、発作点数と有意な正の相関、起床時のピークフロー値と有意な負の相関がみられたことから、気管支喘息の重症度および気道収縮に活性化された好酸球が重要に関与していることが示唆された。
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