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1995 年度 実績報告書

ヒト肺癌細胞のサイトカイン産生とそのパラクライン機構に関する免疫生物学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 07670669
研究種目

一般研究(C)

研究機関徳島大学

研究代表者

曽根 三郎  徳島大学, 医学部, 教授 (40145024)

研究分担者 楊河 宏章  徳島大学, 医学部・附属病院, 助手 (50263827)
キーワードサイトカイン / 肺癌 / パラクライン / 肺胞マクロファージ / IL-6 / MCAF
研究概要

既に肺癌細胞株よりIL-1β、IL-6、IL-8、TNF-α、MCAFが産生されることをmRNA及び蛋白レベルで報告した。また、IL-1やTNF-αmRNA強発現株RERF-LC-MS,IL-6やIL-8mRNA強発現株RERF-LC-OKにおいて、リコンビナントサイトカイン添加によりこれらmRNAの発現に及ぼす影響を検討した結果、RERF-LC-OK株ではTNF-α添加によるIL-1β,IL-6,GM-CSFなどの発現の増強を認めた。さらにRERF-LC-OK株、A549株ではTNF-α、IL-1β添加によりMCAFの産生増強を認めた。このように宿主細胞から産生されるTNF-α、IL-1β刺激によりある種の腫瘍細胞では種々のサイトカイン産生が誘導される可能性が示唆された。特にケモカインであるIL-8、MCAFの産生は、腫瘍局所への宿主細胞の集積を促し、より複雑な相互作用を喚起することが予想される。また肺癌患者血清を用いた検討では39%の症例で血中にIL-6が検出され、血中フィブリノーゲン及びCRP値との相関を認めており、IL-6が疾患者の種々の病態に関与している可能性が示唆された。しかし、IL-1、TNF-α、IL-lraについては癌患者血清を用いて検討したが検出されなかった。
一方、腫瘍局所で起こる炎症反応も腫瘍増殖及び宿主防御能に影響を与えることが考えられる。そこでそれらの調節因子であるIL-4、IL-10、IL-13といった抗炎症性サイトカインの肺胞マクロファージ機能に及ぼす影響を検討した。IL-13はIL-4同様、LPS刺激肺胞マクロファージからのIL-1βの産生を濃度依存的に抑制したが、IL-lraの産生は増強した。またIL-4、IL-10及びIL-13はMCAFプラスLPSによって誘導される単球-マクロファージ系細胞の抗腫瘍活性を抑制することが明らかとなった。
今度サイトカイン遺伝子導入肺癌細胞を用いたマウスモデルでの検討を進めるとともに、肺癌細胞の移転浸潤能の面からもサイトカインの調節作用について検討する予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Yanagawa, H. et al.: "Contrasting effect of interleukin-13 on interleukin-1 receptor antagonist and proinflammatory cytokine production by human alveolar macrophages." Am. J. Respir. Cell. Mol. Biol.12. 71-76 (1995)

  • [文献書誌] Yanagawa, H. et al.: "Serum level of interleukin 6 in patients with lung cancer" Br. J. Cancer. 71. 1095-1098 (1995)

  • [文献書誌] Yano, S. et al.: "Differential effects of anti-inflammatory cytokines (IL-4,IL-10 and IL-13)on tumoricidal and chemotactic properties of human monocytes induced by monocyte chemotactic and activating factor." J. Leukocyte Biol.57. 303-309 (1995)

  • [文献書誌] Yano, S. et al.: "Novel metastasis model of human lung cancer in NK-cell depleted SCID mice." Int. J. Cancer. in press.

  • [文献書誌] Haku, T. et al.: "Human alveolar macrophages augument natural killer cell stimulatory factor (interleukin-12)-inducible killer activity from autologous blood lymphocytes" Jpn. J. Cancer Res.86. 81-87 (1995)

  • [文献書誌] Kunishige, E. et al.: "Down-regulatory role of alveolar macrophages in IL-2-stimulated proliferation and killer induction of lung lymphocytes in patients with active pulmonary sarcoidosis" Jpn J. Soc. Bronchol.17. 310-320 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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