研究課題/領域番号 |
07670681
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
永井 厚志 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (60101820)
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研究分担者 |
亀山 伸吉 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (50214557)
安井 修司 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (30147392)
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キーワード | オキシダント / 急性肺傷害 / アポトーシス / ネクローシス / ナイアシン / ニコチナマイド / ATP / NAD |
研究概要 |
ラットにglucose-glucose oxydaseを経気道的に投与し、肺にキシダント(O2-)傷害をもたらすモデル実験において、予め全身的に投与したニコチナマイドおよびナイアシンはいずれも気管支洗浄液の炎症細胞数やアルブミン濃度、肺の湿/乾重量比で評価した肺傷害の程度を抑制した。細胞内のNADおよびATPは、このオキシダント傷害により低下したが、ニコチナマイドやナイアシンはNAD、ATPの低下を阻止した。以上より、ニコチナマイドやナイアシンはオキシダントによってもたらされるNADの枯渇とそれに引き続いて起こるATPの低下を阻止することにより細胞傷害を抑制していることが知られた。また、過剰のglucose-glucose oxydase投与による動物の死亡率をナイアシンやニコチナマイドは有意に低下させた。 ウシ気道上皮に種々の濃度のH2O2を暴露し、電顕とDNAのfragmentationによりアポトーシスを、51Crの放出によりネクローシスを評価した。H2O2は、濃度依存性、暴露時間依存性にネクローシスおよびアポトーシスをもたらすことが明かとなった。この細胞傷害をナイアシン、ニコチナマイドは濃度依存性に抑制し、その抑制効果はATPの低下阻止によることが窺われた。 以上、オキシダント傷害についてin vivoおよびin vitroで行った研究では、オキシダント傷害がNADの枯渇を介したATPの低下によってもたらされていることを確認しえ、ナイアシンやニコチナマイドはこれら傷害経路を遮断することにより組織、細胞傷害を抑制することを明らかにした。
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