研究課題/領域番号 |
07670681
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
永井 厚志 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (60101820)
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研究分担者 |
亀山 伸吉 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (50214557)
安井 修司 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (30147392)
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キーワード | オキシダント / 急性肺傷害 / アポトーシス / ネフローシス / レドックスサイクル |
研究概要 |
1、前年度の研究から上皮細胞は組織から単離剥離した場合にアポトーシスとなることが知られたため、上皮細胞に基底膜からの離開をもたらすエラスターゼについてIn vitroでの実験が行われた。モルモットの気道上皮にエラスターゼを全身的(静注)あるいは気道内(吸入)投与すると、上皮細胞は基底膜から剥離した。この剥離性傷害は抗プロテアーゼであるSLPIを投与することにより抑制された。 2、肺傷害の主役を演じる肺内好中球について実験を行った。好中球の肺胞への集積に接着分子が関与していることから、シアリルルイスXアナログを投与しLPSによる肺傷害を観察した結果、これらの接着分子阻止物質は、LPS肺傷害を有意に抑制することが明かとなった。また、好中球が肺血管に集積した場合、肺傷害がもたらされるかについて検討した結果、G-CSFで増加した肺血管内の好中球は、肺胞内へ遊出することもなく血管からのアルブミン漏出も観察されないことが明かとなった。 3、オキシダント-抗オキシダント均衡下における細胞傷害性については、グルタチオンの前駆物質であるシスチンを欠乏させた培地では、気道上皮、肺線維芽細胞はいずれもアポトーシスが誘導された。以上より、細胞内の活性酸素がアポトーシスのシグナル伝達に関与していることが推察された。
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