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1996 年度 実績報告書

肺の成長、発育、老化に伴う胸膜組織の変化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07670689
研究機関(財)東京都老人総合研究所

研究代表者

木田 厚瑞  東京都老人総合研究所, 免疫病理部門, 研究員 (90142645)

キーワード胸膜 / 形態観察 / 加齢変化 / カラゲニン胸膜炎 / サイトカイン
研究概要

成長、発育、加齢に伴って肺には著明な形態変化が認められるが胸膜に生ずる変化については不明である。そこで、本研究では、1)成長、発育期および老齢記に生ずる胸膜表面構造の変化について検討し、2)胸膜病変としてはカラゲニンによる急性胸膜炎を作成し、胸水構成分の変化、について検討した。
1)加齢に伴う胸膜表面構造の変化
生後1日齢より30ヶ月齢までのマウスを用いて臓側胸膜を走査電顕にて観察し、以下の知見を得た。
(1)出生直後は、わずかであった胸膜中皮細胞の微絨毛(MV)は、1週齢より密度を増し、1ヶ月齢では200〜300(/μm^2)に達する。しかし、30ヶ月齢の老年期ではMVは部分的に脱落し、MVそのものも不整となった。
(2)臓側胸膜表面には生後2週齢頃より中心部にMVが粗なstoma様の構造の集簇が認められた。加齢とともに周堤が隆起し、中心部に陥凹が著明となった。
2)カラゲニンによる急性胸膜炎
ラットの右側胸腔内にカラゲニンを単回投与し急性胸膜炎を作成した。胸水は投与後3日目でピークに達し以降、減少、7日目で消失した。胸水中の細胞数は、3日で最高値に達し、気管支肺胞洗浄液(BALF)でも同様であった。細胞分画は胸水では多核白血球が主体であったのに対しBALFではマクロファージが主であった。蛋白量は胸水中では1日目がピーク以降漸減、しかしBALFでは漸増した。胸水およびBALF中のIL-8は1日目にピークを、また以降、漸減。INF-γも同様であったが、BALFでは検出されたなかった。以上よりカラゲニン急性胸膜炎モデルは胸膜病変により二次的に肺内に反応性変化が生ずるが必ずしも胸膜病変とは平行するものではなかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] K.Nomura,K.Kida,et al.: "An ultrastructural study of visceral pleura in mice : special reference to aging changes" Am J Respir Crit Care Med. (in press). (1997)

  • [文献書誌] 野村浩一郎、木田厚瑞ら: "マウス胸膜の加齢変化の形態学的検討(第一報)" 日胸疾会誌. 34. 165-165 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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