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1996 年度 実績報告書

虚血性神経細胞死の発現機序と予防薬の開発:ニューロン・グリア相互作用の面から

研究課題

研究課題/領域番号 07670692
研究機関東北大学

研究代表者

中村 正三  東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (80108498)

研究分担者 武田 篤  東北大学, 医学部, 助手 (70261534)
糸山 泰人  東北大学, 医学部, 教授 (30136428)
キーワードischemia / cytokine / oxidative stress / antioxidant / neurotrophic factor / in flammation / neuronal death
研究概要

本研究では脳梗塞後の神経細胞死におけるグリア細胞の役割に注目した2種類の研究を行い、以下の新知見を得た。実験には脳虚血モデルラットを使用した。
1 脳虚血後のグリア細胞におけるストレス蛋白の誘導
ミクログリアは虚血後活性化され、その細胞表面に種々の免疫物質が誘導された。アストログリアは虚血後HSP27などのストレス蛋白を発現した。さらに、梗塞巣に浸潤する白血球は種々の細胞接着分子を発現しており、免疫学的アプローチが今後の脳姑息治療に利用できる可能性が高まった。
2 神経栄養因子のアストログリアにおける発現
神経栄養因子の中でも、ヘパリン結合性神経栄養因子のHB-GAM(heparin-binding growthassoiated molecule)に着目して研究を進めた。HB-GAMは多くの神経細胞に対して栄養効果を示すが、我々はHB-GAMが正常海馬CA1ニューロンで発現していること、HB-GAMの発現レベルが脳虚血後に著明に上昇し、主にアストログリアが虚血後のHB-GAM発現増加に寄与する事を示した。このことから、虚血後のニューロンの栄養、生存にHB-GAMが何らかの役割を担っている事が推測された。次に、HB-GAMの受容体であるsyndecan-3(S3と略)の正常脳での分布及び脳虚血後の変化について検討し、虚血後にS3の発現が著明に上昇していることを明らかにした。他のヘパリン結合性栄養因子でも虚血後著明な発現レベルの変化を認めた。今後、HB-GAMやファミリー遺伝子の投与実験により、虚血性神経細胞死が軽減されるか、またシナプス可塑性が変調されるかについて検討を進める予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Takeda, A.: "Induction of heparin-binding growth-associated molecule expression in reactive astrocytes following hippocampal neuronal injury" Neuroscience. 68. 57-64 (1995)

  • [文献書誌] Kato, H.: "Calcium deposits in the thalamus follosing repeated cerebral ischemia and longterm survival in the gerbil" Brain Research Bulletin. 38. 25-30 (1995)

  • [文献書誌] Kato, H.: "An immunohistochemical study of heat shock protein-27 in the hippocampus in a gerbil model of cerebral ischemia and ischemic tolerance" Neuroscience. 68. 65-71 (1995)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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