研究課題/領域番号 |
07670706
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 福井医科大学 |
研究代表者 |
武藤 多津郎 福井医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (60190857)
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研究分担者 |
浜口 道成 名古屋大学, 医学部, 教授 (90135351)
栗山 勝 福井医科大学, 医学部, 教授 (80107870)
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キーワード | アポトーシス / TrK / Ras / イソプレニレーション / チロシンキナーゼ |
研究概要 |
本年度は、ニューロン系細胞と非ニューロン系細胞の筋芽細胞を用いてそれらの細胞死に於ける情報伝達機構の解明について研究し次の知見を得た。 1)ラット褐色細胞腫由来のPC12 cell及びNB-1 neuroblastoma cellでは神経毒である1-methy-4-phenyl pyridinum(MPP^+)がこれらニューロン系の細胞にapoptosisを惹起させ細胞死に至らしめること。また、この細胞死はapoptosisによると考えられた。 2)この際、これら細胞に発現するTrK受容体が活性化され細胞内チロシン燐酸化反応が見られた。この燐酸化反応はMPP^+処理後非常に早期に出現しNGFで知られている如く細胞をapoptosisからrescueしようとするニューロンの防御反応と考えられた。 3)これに対し、筋芽細胞の系でRasの機能をブロックしてやると(Rasのイソプレニレーションの抑制)細胞はapoptosisにより細胞死を来たした。その際、先と同様に細胞内チロシン燐酸化反応が惹起された。さらに、チロシンキナーゼの前処理をした細胞ではその細胞死が抑制された。したがって、この系に於けるチロシン燐酸化反応はApoptosisのシグナル伝達に直接関与していると考えられた。 以上の検討から、細胞死特にapoptosisのシグナル伝達にチロシン燐酸化反応が本質役割を担っていることが判明した。
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